【用語解説】FRB:バランスシートを年間1.1兆ドルの大幅圧縮する方針

相場分析

こんにちは!ブンさんです。

日本時間2022年4月7日未明、FOMCの議事録要旨が発表されました。

FRBがQEで緩和したバランスシートについて米金融当局は新型コロナウイルス禍対策の量的緩和(QE)で膨らんだバランスシートについて、年間約1兆1000億ドル(約136兆円)のペースで圧縮する方針を打ち出した。また、40年ぶりの高インフレの抑制に向けて「迅速」に利上げを進める。

Bloombergより抜粋 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-07/R9YHUYT0G1KW01?srnd=cojp-v2 

経済のことを勉強している方は「なるほど」と、すぐに合点がいくと思いますが、

普段聞きなれない言葉が並んでいるので、ちょっと分かりにくいですよね。

今回は、経済用語に馴染みがない方に向けて、用語説明(自分なりの解釈を含みます)

してみたいと思います。

FRBとは?

米連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board)の略称で、米国の中央銀行です。

日本だと日本銀行が同じようなポジションです。

FRBの大きなの目的は以下の2つです。

 米国の雇用の最大化(労働者数を増やす。失業率を減らす。)

 ②物価の健全な安定化(年間2%の物価上昇が目安)

米国の経済を活性化させるために、「お金の総量」や「金利」をコントロールする組織です。

QEとは?

量的緩和策(Quantitative Easing)の略称です。

FRBが、景気や物価の安定化を目指して、市場に大量のお金をバラまきます。

市場に出回るお金が増えて、経済活動が活発になっていくことを狙った政策です。

子どもで例えるならば、例年より2倍以上のお年玉をもらってウハウハになった状態ですね。

2020年にコロナが大流行し、同じタイミングで景気後退が不安視されたため、

FRBはQEを打ち出し、市場に大量のお金をバラまきました。

車で例えると、景気を加速させるために、アクセル」を踏み込んでいる状態です。

ちなみにQEの反対語は「QT(Quantitative tightening) 量的引き締め」といいます。

バランスシートとは?

バランスシート(貸借対象表)は、ある一定の時点の資産と負債をあらわしたものです。

FRBが2020年6月から毎月1,200億ドル(約14兆円)の米国債や住宅ローン担保証券を

購入しているため、資産がどんどん増加しています。

下表のとおり、2019年からの2年間で4兆ドル(約488兆円)から8兆ドル(約976兆円)と

約2倍になっています。

2年で2倍以上に膨れ上がった資産を縮小していくことで、市場にジャブジャブ流したお金の量を

減らしていく方針を立てています。

このまま経済が過熱すると、いつか大爆発してしまう可能性があるため、少し経済を

冷ます必要があります。

高インフレとは?

FRBの最大テーマの1つが、「物価の安定化」です。

しかし、現在は、目標の2%に対して、前年比7.9%(2022年3月10日発表)と

約40年ぶりの高い伸びなっています。

YAHOO!ファイナンス 経済指標情報 より抜粋

この歴史的なインフレを抑えるために、FRBは金利を上げることにより、

市場がお金を借りにくくし、世の中に出回るお金の量を減らそうとしています。

車で例えると、スピードを出しすぎてオーバーヒートしないように「ブレーキ」をかける状態です。

まとめ

コロナショックの時にFRBがQEを行ったことにより、米国の経済は急回復しました。

QEで市場に出回るお金の量が増えたことで、経済は安定しましたが、

増えすぎたことで、お金の価値が下がりました。

また、原油などコモディティ商品の高騰もあり、歴史的なインフレとなっています。

この状態が続くと、いつかはバブルがはじけ、大恐慌となってしまうリスクがあります。

そのため、FRBは一気に景気後退(リセッション)がこないように、少しずつ

経済の引き締めを行っていく、と宣言しています。

今後、株価は影響を受けて、乱高下する可能性がありますが、

短期的な上げ下げに一喜一憂することなく、静観して相場に向き合う予定です。

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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